現代の会社がダメな理由(の一因)

社長や取締役は無責任・ノーリスク

今の上司はとにかく責任を取りません。
例えばファミリーマートのチーズ入りチキン。 匂いがひどくてアチラコチラでクレームが発生し、アルバイトはみんな困ったことでしょう。 売上も一時的に落ちたことでしょう。もし意欲的な 新商品を置く場合は、都内に数カ所プレ店舗を用意し、そこでひと月ぐらい 当たりを見て実戦投入すべきです。僕のようなペーペーでも考える危機管理さえ出来ていないわけです。 責任があるのは発案者でなく、いきなり実戦投入にOKをだした責任者です。
もう一例、マクドナルドです。いきなり100円マックをやってみたり、60秒で品出しキャンペーンをやってみたりして アルバイトを困らせるばかりか、一部の客にも不評を買っている上、利益に成らず結局辞めています。(60秒 キャンペーンは始まったばかり)

一般的には「経営者や上司は責任があるからねぇ・・・」といいます。 いざというときにリスクがあるから無謀な事を言ったり、社員が不遇に会うのも仕方ないという理屈です。 しかし彼らは責任を取りましたか? 平気な顔をして高給取りを続けています。 経団連なんて散々中国進出を日本中に広めて第損害を食っても、誤りを認めさえしません。 下っ端の社員やアルバイトは、客に怒鳴られたりいきなり飛ばされたりしているのに、 彼らは石像のように特等席に座ってます。
経営者や取締役はリスクが有る、責任があるというのは、日本の会社の場合ウソです。 むしろ平社員よりリスクはありません。責任といっても法的責任もありません。 彼らは会社さえ潰れなければ特等席に座り続けられるのです。自分より偉い人がいないからです。
仮に会社が倒産しても、株式会社なら取締役・社長共に借金を背負うことはありません。 役員報酬で貯金もたんまりあることでしょう。今流行の早期退職というようなものです。 一方、平社員はまだまだ稼がなければなりませんので、中途で何処か稼ぎ先を見つけなければなりません。 平社員のほうがリスクがあるのです。


こんな経営者のためにがんばろうという人がいますか? いないほうが普通だと私は思います。

改悪ブーム到来! 今の会社が改悪しか出来ない理由

現代の会社の取締役連中では改革が流行っているようで、 とにかく人を動かしてみたり呼び方を変えてみたりルールを変えてみたりして、 碌でもない結果になります。 なぜ碌でもない結果になるかというと、上記に書いたとおり、無責任ノーリスクな 取締役が思いつきで改革をするからです。結果に責任を持たなくて良いのだから 「本気で成功させよう」「絶対に失敗する訳にはいかない」なんて心意気はもてません。 失敗するべくして失敗するのです。

この頁ではもう一つ、現代の会社の改革がうまくいかない理由を上げます。 たいてい本社が出してくる改革案というのは、現場作業者からすると理解不能なことが多いです。 つまり「仕事が多くなるし、ミスも増えるし、利益にもならない」類のものが本当に多いのです。
なぜこのようなアホな改革案が取り上げられるのか。 それは本社にまったく現場の意見が入らず、現場の状態を確認せずに改革案を作るからです。 また、改革案を実行するにしても、全社で一斉にやるのではなく、ひとつの営業所で試してみれば良いのですが、 彼らはそういうことはしません。 なぜなら本社にいる人間や役員は、改革のあおりを受けないし成功しても失敗しても自分の生活にはあまり関係無いからです。 とにかく結果はどうあれ実行することに主眼があるのです。(まるで小泉改革のように)
更に悪いことに、改革案に対していちいち不満や意見を行ってくる人間を切り捨ててしまいます。 思いつきの改革案をまともなものに是正するせっかくのチャンスを「気に食わないから」という理由で 切り捨ててしまうのです。すなわち、意見をいう=物事を変える気概のある社員を切り捨ててしまうのです。
結果として、毎日給料をもらうことだけを考え、どれだけ無駄なことだろうが上司の言うことをそのままに聞くボンクラ社員だけが 残ってしまうのです。
ノーリスク取締役が思いつき改革案を出し、ボンクラ社員が何も考えずただ実行する。改悪になって当然です。 これでは改悪だけでなく弱い会社が出来上がってしまいます。

本気になれない社長 本気になれない社員

現代の日本の会社というのは、民主主義と社会主義の悪い部分を足したような会社だと 思います。
何か大きな物事を決めるときは、取締役会議で民主主義的に決めます。 つまり「たった一人の責任者」というものをつくりません。 決めた物事がうまくいかなくて明らかに誤った判断であっても、 お互いをかばい合うようにナァナァにしてしまいます。 「あの判断は間違いだった」と公言せずに、ダラダラとプロジェクトを進めていつの間にか自然消滅する ように仕向けるのです。それに振り回されるのはプロパーです。決めた取締役は責任をとりません。
一方、プロパーは自分の持ち場で何かミスを犯すと一発で飛ばされます。 また、明らかに無理な仕事量や行程であっても本社の言うとおりに出来なければ減給になったり飛ばされたりします。 そして取締役たちの思いつき改革によって部署をたらい回しにされたりします。徹底的な社会主義です。

このような会社では、取締役は命がけで仕事を剃る必要もないし、プロパーも 愛社精神など湧きようもありません。こうやって会社という組織は解体され、 誰もが「この会社からいくら毟れるか」しか考えなくなるのです。

強い会社は強いチーム

どうしたら改悪にならずに改革できるのか。
まずは小さな改革、すぐにできることから実行するべきです。 すぐに出来る改革は現場のプロパーが知っています。 「上司はこう言うけど…昔からこうやってるけど…どう考えたって別のやり方のほうが良いよな」 ということを現場に聞きに行って一つ一つ実施することです。 現場のプロパーのいうことですから現場が楽になることしか言いませんが、まずは改革によって 得することがあるんだよと示すことです。
大きな改革をする場合は、まずひとつの営業所でためしてみるべきです。 その営業所には、とにかく意見を積極的にいいう人、言い換えれば文句をいう人、楯突く人を 沢山入れるべきです。文句を言って楯突く人に「じゃあどうやったら上手くいくんだ?  お前が社長だったらどうやるんだ?」と聞いて取り入れ、改革案を改善していくのです。 自分の案をより良きものにしたければ、自分の案に意見をいう人を沢山集めなければいけません。 逆に自分の案に一から十まで大賛成という人は必要ないのです。
ひとつの営業所でそれなりに上手く言ったなら、徐々に広げていけばいいでしょう。

昔の会社が勢いがありいろいろなアイデアが出てきたのは、時代の趨勢もありますが、 プロパー上がりの人が多数取締役まで上り詰めた時代だったという部分も大きいのでは無いかと思っています。
現場の目線を持っている取締役が、現場のプロパーと揉めながら苦しんで変えていく。 結果、うまくいくこともあれば失敗もあるでしょう。失敗した時は素直に反省して、部下に 「苦労をかけた挙句給料が減ってしまって悪いことをした」と謝ればよいのです。 そいういう言われ方をすれば部下の中には「こういうアイデアがあったけど言い難くて黙ってたのは失敗だったのかな」 とか「もう少し正直に嫌な仕事と面白い仕事について話せば違っていたかな」と 考える人も出てくるはずです。
それを繰り返すことによって、強いチーム、強い会社にしていくのが正道だと思います。


(だから私は転勤が多い会社には行きたくありません。 転勤が多い会社でリーダー役なんて絶対にいやです)



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